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2006/08/01

思わぬ親切?

30年前の45日間泊り込みの皿洗いのアルバイトで思い出した話

1年目

私は友人2人と、このアルバイトに行った

前々回の書き込みで3食付と書いたが

当然ながらアルバイトの食事が豪勢なはずがない

朝はご飯に生卵に納豆と野沢菜漬、週に1度ぐらい小さな焼き魚が出た

昼は寸胴鍋に作り置きしたカレーが毎日続く

「またカレー?」と言えば

「カレーは作りたてより何度も何度も煮込んだ方が美味しいんだ」と言われた

毎日続くと美味しいとかじゃなく飽きる

ある日「飽きた」と言ったら

料理長が別の寸胴鍋にたっぷりビーフシチューを作ってくれて

今度はこれがなくなるまで毎日続いた

夜はまだましでお客さんに出したあまり物

それでも食べ盛りの貧しい大学生は腹いっぱい食べられるだけである意味幸せだった

大学生のアルバイトは私たち3人のほかにC大の人が一人いた

最初の朝食

私たち3人は生卵でご飯1杯

納豆でご飯1杯と朝から食欲旺盛

C大の彼を見ると

野沢菜で少しだけご飯を食べていた

私が「どこか調子悪いの?」と聞くと

彼は「生卵も納豆も食べられないから・・・、正直、野沢菜もあまり好きじゃない・・・」と言う

なんとも贅沢な奴!

すかさず私は「それじゃぁこれくれる?」と彼の生卵と納豆を指差した

「あげるから食べていいよ」と彼は言い

私が貰おうとすると

N君とI君が「お前だけ貰うな」と言い出し

その日から彼の生卵と納豆はじゃんけんで勝ったものがどちらかを貰うこととなった

負けた1人は貰えない

3人のうち2人はおかずが増えて3杯食べられることになる

そんな朝からじゃんけんの朝食が10日ほど経ち

いつものようにじゃんけんをしようとした時

C大の彼が「ちょっと待って」と言い

さらに「俺、食べてみるよ」と言う

私たち3人は「なんで~」と

彼は「3人が毎日美味しそうに食べてるの見たら食べられるような気がしてきた」と言った

私たち3人は

「無理することないよ。嫌いなものは嫌いなんだから」と言い

「下手に食べて気持ち悪くなったらまずいよ」とまで

決して彼のためではなく自分たちの貰える物が減ることを恐れて必死(?)にとめたのだが

その甲斐も無く彼は食べ始めた

彼の食べるのを見つめる私たち3人

しばらくして彼の口から出た言葉は

「うまいね」だった

毎日ハードな肉体労働してお腹が空いていたら少しぐらい嫌いなものでも美味しく感じて当然だし

彼の場合

食わず嫌いでもあったのだろうと思う

この日から朝のじゃんけんは終わった

そして、そんなことなどすっかり忘れて2年目のアルバイトに行った時のこと

その年はC大の彼は来ないとのことで

仲間4人でアルバイトへ行ったのだが

到着してまもなく料理長が

「去年君たちが帰ってまもなくC大の彼のお母さんから電話があり、息子が「朝は生卵と納豆がいい」と言い出し、今まで食べようともしなかったものを食べるようになりました。みなさんのお蔭で好き嫌いがなくなりました。ありがとうございます」とお礼の電話がかかってきたよ」と言った

別に親切心でしたことでもなく

彼のためを思ったわけでもないのだが

結果的には「いいことをした」ということになってしまったようだ

その時の社会人である料理長の言葉は

「まぁ、頑張れというのだけが思いやりじゃないってことだよな」だった

確かに時には逆療法の方が効果がある場合があるのかもしれない

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