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2007/12/12

ウエスタンブーツ

それは25年以上前の12月

木枯らしが吹いて寒い夕方

私は駅近くのデパートの前で彼女を待っていた

当時、1つ年上のOLのお姉さんとお付き合いしていた私は

仕事を終え

食事デートをする約束でそこにいた

その日はすごく寒い日で

少し早めに着いた私はコートの襟を立てて待っている

ふとデパートの中を見ると

ガラス越しの目の前に靴売り場があり

そこに陳列してあった黒のハーフのウエスタンブーツが目に留まった

私はきっと宝物でも見つけた少年のような目でそれを見ていたのだろう

「お待たせ~」と腕を組んできた彼女の方を振り向いた私

「何を真剣な目で見ていたの?綺麗なお姉さんでもいた?」と笑いながら彼女

「違うよ。そこのブーツ見てたんだよ」と笑いながら私

彼女が「中に入って見てみる?」と聞き

私は「いいよ」と答えたのだが

「まだ時間早いんだから、見るだけでも見ようよ」と半ば強引に組んだ腕を引いていく彼女

店内でそのウエスタンブーツを履いてみて

気に入ったのだが

値札を見て買うのをやめた

当時、働き出してまもない私は自動車ローンもあり

5万円のブーツは高すぎて贅沢な感じがしたのだ

諦めた私は「ご飯食べに行こう」と彼女に言い

2人で歩き出した

ここまでは鮮明に覚えているのだが

その日、どこで何を食べたのかは覚えていない

この話の次に覚えているのは

数週間後のクリスマス・イブの日

デートの待ち合わせ場所に行くと

大きな袋を持った彼女がいた

そう、袋の中身は先日のウエスタンブーツ

あの日、「履くだけ履いてみようよ」と言った彼女は

その時点で「サイズ確認をして、これをクリスマスプレゼントに」と思っていたのだろう

このプレゼント

高いものをもらったことはもちろんだが

それ以上に「本当に欲しいものをもらった」という思いで

その後、大事に大事に使い続けた

皮にはクリームを塗り

使わない夏に向けて春先にはしっかり手入れしてしまい

大切に使い続けたのだが

どんなに大事に使っても、使い続ければ寿命はくるもので

数年前、ついに穴があいてしまった

それでも捨てられずにしばらくは下駄箱の中に置いておいたのだが

家族から「邪魔~」といわれ、ついに処分してしまった

それでも

当時の記憶だけは今も鮮明に残っているし

一生忘れることはないのかもしれない

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コメント

何人の彼女が登場するのでしょうか (笑)

そのお姉さんはきっと
売り切れないうちにと次の日には買いに行って
「どんな顔するだろう」
「きっと喜ぶだろうな」
なんてワクワクしながらクリスマスまで過ごしたことでしょう
誕生日プレゼントより
クリスマスプレゼントのほうがワクワク感を感じますね

投稿: たー坊 | 2007/12/12 20:22

すてきな思い出です。
25年以上前の5万円って、相当な値段です。
彼女は、カー助さんの喜ぶ顔が見たかったのでしょうね。
でも、プレゼントって、難しい。
贈った相手が、必ずしも気に入ってくれるとは限らず、贈り主の自己満足になりかねませんから・・・
私は、センスがないから、ダメだな。

投稿: チエちゃん | 2007/12/13 09:22

たー坊さん

コメントありがとうございます
アハハ、映画の寅さんシリーズのマドンナの数ほど出てきませんからご安心を!
そうですね。その時の私はすごく喜んだ顔してたでしょうね
ただ同時に「こんなに高いものを貰っては申し訳ない」と思ったことが
このことを今でも鮮明に覚えている理由の1つでもあるのですよね

投稿: カー助 | 2007/12/13 09:48

チエちゃん

コメントありがとうございます
そうですよね。当時の5万円は高額ですよね
確かにプレゼントが送った相手に必ず喜ばれるとは限りませんから難しいですよね
その分相手が喜んでくれた時には
送り手も嬉しいのでしょうが・・・
プレゼントのコツは
いかに相手の欲しいものが察知できるかですかね
「昔の話」はしばらくプレゼントの話になりそう?(笑)

投稿: カー助 | 2007/12/13 09:55

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