« 富岡製糸場跡 | トップページ | JTの策略? »

2008/01/09

故意と過失

おととし福岡であった飲酒運転による事故の一審判決が昨日福岡地裁であった

判決は業務上過失致死として7年6ヶ月の懲役だ

検察の求めていた「危険運転致死傷罪」は適用されなかった

裁判長の判断は

「酩酊状態とはいえない」というものらしい

「酩酊状態」とはなんだろう?

泥酔して何もわからない状態をいうのだろうか?

それは意識ももうろうとして運転すらできない状態なのか?

百歩譲って、今林被告が酩酊状態じゃなかったとして

酒を飲んで車を運転することが本当に「過失」だろうか?

誰かに無理やり酒を飲まされたのでもなく、自らの意思で酒を飲み

誰に強要されたわけでもなく、自らの意思で飲酒運転をしても

「故意」ではなく「過失」と本当に言えるのだろうか?

それは

人に向けて銃を発砲しておきながら「殺意はなかった」と言っているのに等しいのではないか?

包丁で人を刺しておいて「殺意はなかった」と言っているようなものではないか?

「故意」と「過失」の境はあいまいだ

その時の被告の心の中は誰にもわからない

前後の被告の行動から推察するしかない

今回の福岡地裁の裁判長は

事故後1時間ほど経って、今林被告が大量の水を飲み証拠隠滅をはかったあとの検査を採用し「飲酒状態」ではなく「酒気帯び状態」であるとしている

証拠隠滅をはかったものは

参考にすらされても隠滅をはかった被告に有利な証拠として採用されるべきではないのではないか?

また、事故前の細い道を事故を起こさず通っていることから「酩酊」ではないとしているが

こんな理論が成り立つなら

毎日常習的に飲酒運転を繰り返している奴が飲酒運転で事故を起こしても

昨日まで毎日飲酒運転で事故を起こさなかったのだから危険運転ではないという話にはならないか?

飲酒検問で捕まったドライバーも

そこまで無事に運転してきたから検挙されたのであり

これらにも危険性はないということにはならないか?

さらに

一般道を100kmで走り、十数秒わき見をしていても危険運転にあたらないとの判断だが

今林被告が「わき見をしていた」という証拠はどこにあるのだろうか?

被告の自己保身の身勝手な主張だけが採用されてはおかしくないか?

おまけに

事故現場に今林被告の車のブレーキ痕があるのを

通常の運転ができた証拠としているが

ブレーキは反射的に踏んだものではないか?

それは、自らの命を守るためにとっさに踏まれたものと考える方が妥当だと思うのだが・・・

これらの裁判長の「危険運転致死傷罪」を適応しない論拠は

まるで被告、弁護士が通常の裁判でする言い逃れに似ていると思ってしまうのは私だけだろうか

そもそも

「危険運転致死傷罪」は、飲酒運転による悲惨な事故から生まれたものだ

その成立過程を考えても

飲酒運転に対し裁判所が適用要件に異常に高いハードルをもうけるべきではないのではないだろうか?

時に裁判所は

「社会に甚大な影響を与えた」という理由をつけて厳罰化をすることもある

その一方でこのような判決が出るとはおかしな話ではないだろうか

こんな判決が出ると

日本が三審制で良かったと思ったりもする

検察には上告し上級審で争ってもらいたいと思う

|

« 富岡製糸場跡 | トップページ | JTの策略? »

「ニュース」カテゴリの記事

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

報道によると現場は軽い坂になっていて車高の低い乗用車などでは前方の視界が悪くなるんだそうです
そこを真夜中に加え100キロものスピードで走行していたら事故の確率は高いに決まっています。

わき見だったと言うことも疑わしいですね

投稿: 玉井人 | 2008/01/09 20:07

玉井人さん

コメントありがとうございます
自民党の国会議員の先生方には
インド洋でタダで給油する法律より
「飲酒運転事故=危険運転致死傷罪」という法改正でもしてもらいたいものです
そういう法改正には利権がともなわないから私利私欲のためにしか働かない国会議員先生様には無理ですかね

投稿: カー助 | 2008/01/09 20:57

事故、確率、が間違っていました。できたら訂正願います

投稿: 玉井人 | 2008/01/10 09:20

玉井人さん

ハイ、訂正しておきました
ついでに「社交」も「車高」に(笑)

投稿: カー助 | 2008/01/10 09:40

危険運転致死罪に該当する基準が曖昧に思えます

投稿: CuoRe | 2008/01/10 15:52

cuoreさん

コメントありがとうございます
本文中にも書きましたが
「危険運転致死傷罪」の制定は
飲酒運転による悲惨な事故からであり
身勝手な飲酒運転による悲惨な事故や被害者をなくす意味を持って作られたはずの法律が今回のような悲惨な飲酒運転による事故(私は過失事故ではなく犯罪だと思っていまが・・)に適用されないのでは意味がないと考えますね
それと
裁判官がその法律の制定意味を理解していないのかと思うと残念です

投稿: カー助 | 2008/01/10 16:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/90496/17629958

この記事へのトラックバック一覧です: 故意と過失:

» 「危険運転致死傷罪」適用ならず [つぶやき古道(こみち)]
一昨年の2006年8月福岡で起きた3児死亡追突事故被告は当事大量の飲酒をしていてしかも制限速度を50キロもオーバーする100キロの猛スピードで前にいる自動車に追突し親子5人の乗ったままの車を川に転落させ、その結果として幼い子供たちの命を奪っ... [続きを読む]

受信: 2008/01/09 20:02

« 富岡製糸場跡 | トップページ | JTの策略? »